お金を貸して失う二つのもの

まだ20代前半だった頃です。

同じ職場にいた女性と、プライベートでも友人づきあいをするようになりました。

私は独身ですが、彼女は少し年上で、三人の幼い子どもさんがいました。

ドライブに連れて行ってもらったり、お弁当をおごってもらったりして、

いろいろと良くしてもらっていたと思います。

何をきっかけでお金を貸すことになったのかは覚えていません。

最初は1万くらいの金額で、貸したり返してもらったりを繰り返していました。

生活が大変で、ガスを止められてしまう、と言われたら同情心もわきました。

そんな関係になって、彼女からは、

「下の名前で呼んでいい?」と言われたり、温かい手紙をもらったりしました。

彼女は人間関係のトラブルで職場をやめてしまい、ますます経済的に大変そうで、

いつも迷惑かけて本当にごめんなさい、と謝ってくれていました。

でも、気が付けば、電話がかかってくると必ずお金を貸してほしいという話になっていました。

お金を貸してほしい時だけ、友達として振る舞っているように見えてきました。

来週お金を返すから、今日一万円貸して?と言われて、返ってこないことの繰り返しになっていました。

最終的に貸した金額が十万を超えたあたりで、連絡が途絶えました。

確か島田紳助さんが、テレビに出演されていた頃、

こんなことを言われていたのを聞きました。

「お金を貸した方は、二つのものを失うんや。お金と、友達や」

……本当にその通りですね。

若い時の苦い経験でした。